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前回が御好評いただいたようなので続編です。

前回、ショートストーリーを盛り上げるにはドラマが必要だ、と書きました。
今回はいきなり、それに反してドラマが無くてもショートストーリーは成り立つ、というお話です。

ショートストーリーであればディテール(細部)の積み重ねでも十分成り立ちます。
ディテールとは登場人物たちの性格・生活・技能・属している世界などを語る描写です。
その例として『奇襲』『一日艦隊司令』を取り上げます。

ディテールを積み重ねるのは良いのですが、相互に関連性や、リズムがあるのが望ましいでしょう。関連性やリズムがないと、散漫な印象になってしまいます。

『奇襲』は、三つのシーンから成り立っています。

1.アルトの将校教育
 ↓
2.ミシェルクランクランに誘われて、ジャズ・バーへと足を運ぶ
 ↓
3.ジャズ・バーでのミシェルクランの会話


三つの共通点は軍事です。それぞれ「奇襲」「作戦」「武装」など、軍事用語が散りばめられています。
そして、三つのシーンの展開は以下のようになっています。

1.アルトミシェルに説教される
 ↓
2.ミシェルクランに驚かされる
 ↓
3.ジャズ・バーで良い雰囲気だったのに、クランが失言してしまう


これが、リズムを作り出しています。登場人物はみんな、ちょっとずつ言い負かされたり、失敗しているのです。

『一日艦隊司令』も、三つのシーンから成り立っています。

1.美星学園での日常
 ↓
2.新統合軍フロンティア艦隊
 ↓
3.バルキリーのコクピットに居るアルト


共通点は宇宙です。パイロットとしての専門性を感じさせる描写や、無重力を感じさせる描写が続いています。
お話の展開は『奇襲』とは異なり、

1.日常
 ↓
2.非日常
 ↓
3.非日常の中で日常への帰還を決意する


このような形でリズムを作り出しています。
その為に、セリフでつながりを持たせています。

「あんだけ派手なことやらかして、関係ないなんてあり得ないだろ。まったく試験のヤマは当てるくせに、どうしてこーゆー方面は鈍いのかね、お姫さまは」(ミシェル
 ↓
「気をつけて……アルト! この次は試験のヤマ、教えなさいよね!」(シェリル
 ↓
「言われなくたって。試験のヤマを教えないといけないもんな……おちおち死んでもいられない」(アルト


共通点やリズムは他にもたくさんのパターンもあります。
さーて、次はどんなお話にしましょうか。

2008.06.17 


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