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マクロス・フロンティア船団のローカル局で人気ある音楽番組『Sound Frontier』は、今夜もVJヤマちゃんの軽快なナレーションで始まった。

--ハーイ、フロンティアの皆、今日も素敵な音楽お届けします。今夜はビッグ・ビッグ・ビッグ・ゲスト! シェリル・ノームがスタジオに来てくれてます。イャホゥ!

スタジオセットでは司会者席にアフロヘアの男・ヤマちゃん、ゲスト席にシェリルが座っている。

--お目にかかれて光栄です。シェリルさん。さて、さっそくなんですが今回リリースしたミニアルバム、フロンティアでレコーディングした初の作品『BrandNew Frontier』は、ご自身初めてのカヴァー曲集ですよね。今まで、オリジナル曲を発表し続けたのですが、どんな気持の変化があったのでしょうか?
「フロンティアのみんな、今晩は。サヨナラ・ライブ会場に来てくれた人は知っていると思うけど、フロンティアで色んな素晴らしい経験をしたの。その気持ちをアルバムにこめたわ」
--その経験とは?
「一口では言い表せないのだけど…」

シェリルは多くのファンを魅了する微笑みを浮かべた。

「フォルモってあるでしょう? ゼントラーディの人たちがいる」
--ええ。フロンティアの住人にとっても楽しいスポットです。
「ストリートミュージシャンも、たくさんパフォーマンスしていたわ。そこで、私の歌を歌っているコが居たの」
--曲は?
「『What 'bout my star?』 オリジナルはアップテンポで、ポップな曲……知ってるわね?」
--ええ、この番組のヘビー・ローテーションです。
「でも、そのコはイントロをアカペラにアレンジしてたわ。意外だった。意外だったけど素敵だったの」
--ふむふむ。
「それが直接のきっかけだったわ。ずーっとオリジナル曲を発表してきたけど、好きな曲を、シェリル・ノームの解釈で、リスペクトを込めて歌おうっていう気持ちが生まれたの」
--へぇ、そのシンガーはご存じの方なんですか?
「ええ、ランカ・リーよ」
--おお、今、最もフレッシュな新人ですね。
「こう言うと、手の込んだプロモーションじゃないかって疑われそうだけど、ほんと偶然の出会いだったのよ」
--この業界にいますと、人と人の出会いって、それだけで奇跡だと思いますよ。その奇跡が起こったんですね。
「ええ、そうね。その通りね。タイトルもシェリル・ノームにとっての新しい場所と言う意味で『BrandNew Frontier』にしたの」
--なるほど。フロンティア船団と、今の心境という意味を兼ねているんですね。
「ちょっとストレート過ぎるかな、と思わないでもないけど、これ以上ぴったりなタイトルは思い浮かばなかったわ」
--はーい、では、これからお楽しみアルバムの収録曲を紹介していきます。



--最初はビートの利いた、この曲『Rhythm Nation』。
「これは、フロンティアのファーストライブのイメージね。バジュラのせいで中断されたのがもったいないぐらい、ドラマティックなライブだったわ」



--二曲目は『Jumpin' Jack Flash』。
「ギャラクシーのことがあって、しばらくフロンティアに滞在しなければならなくなったのだけど…」

シェリルの声は少し沈んだ。

「無駄に時間を使うのは嫌なの。フロンティアでパイロットコースの勉強を始めたわ」
--なるほど。バルキリーに乗るんですか?
「ええ。もちろん、プロの戦闘機パイロットにはなれないわ。なれるものなら最前線で戦いたい。本当はね。
今は、少しでも故郷に近づくため、そして戦場に立つ人の立場に近づいて……励ます歌を作りたい。だから、頑張っているの」

--フロンティアも、決して安閑とはできない状況だけど、シェリル、応援してます。
「ありがとう。それで、この曲なんだけど、パイロットコースで私が悪戦苦闘している様子、それが近い感じかしら?」
--悪戦苦闘? その割には楽しそうな感じもしますよ。
「学校のクラスメートが、みんな親切にしてくれるわ。だから、騒がしくも明るい感じなのね」
--シェリルが目標に近づけるよう応援してくれているんですね。そういう意味では、楽しい学園生活なのかな、という情報がマネージャーさん方面から流れてきてますが。
「ええ」

カメラに目線を送って、小さく手を振るシェリル。



--感動的な、このナンバーは『Through The Fire』。
「ギャラクシー救援のために立ち上がってくれた、フロンティアの人たちに贈る歌です。ともに炎を、戦いを乗り越えましょう、そんな歌詞があなたのハートに届きますように」



--艶っぽい歌声の『Killing me softly』。
「この歌、素敵な歌声を聴かせて、って歌詞なんだけど、それとは関係なくタイトルがちょっとした洒落なの。私のドキュメンタリーを撮影している時に、バルキリーに乗るための訓練がスゴくきつくって、いっそ殺して……って思ったところから、この曲がひらめいたわ」
--いっそ殺して…ね。どこか別の場所、別のシチュエーションで聴きたい言葉ですね、それ。



--最後のナンバー『Diamonds Are A Girl's Best Friend』。素敵な女性に似合います。
「あら、お上手。しっとりした曲が続いたので、ラストに元気のいい曲が欲しくて……それから、フロンティアの皆に、これからもよろしくね、って気持ちをこめて」
--はーい、というわけで、シェリル・ノームのニューアルバム『BrandNew Frontier』は、本日ただ今からダウンロード開始。お聴き逃しなく!

番組を見ていたアルトはポツリとつぶやいた。
「なーにが、よろしくだ。“これからも振り回すわよ”にしか聞こえねーって」


★あとがき★
VJヤマちゃんはCV山寺宏一でお願いします。

2008.06.17 


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