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「今週も『ランカ・リーのSound Diary』の時間がきました。パーソナリティは私、ランカ・リー。このラジオ番組はフォールド通信波MF25チャンネル、音声とデータのみで銀河系全域にリアルタイム放送しています」

「この番組も1周年、リスナーの皆さんのおかげで続いてきました」

「最初にラジオって放送の形としては歴史あるものだったんですね。この番組を担当させていただくことになって調べたら、びっくりしました」

「今、私は惑星ゾラに向かう客船の中から放送しています。フォールド通信波は銀河のどこからでもタイムラグなしで放送できるのが便利ですよね。この放送を聴いているあなたは、今、どこで何をしていますか? あなたが素敵な時間を過ごすお手伝いができたらいいなぁ」

「今日、お送りする最初のナンバーは『Video Killed The Radio Star』」


「声だけのやり取りって、なんかいいですよね。スピーカーから聞こえる声で、向こうにいる人の表情を思い浮かべたり……映像つきの端末でお話しするよりドキドキしませんか?」

「次に、お送りするのは『Radio Ga Ga』」


「リスナーさんから、メールいただいています。惑星エデンにお住まいのラジオネーム“フィオナ”さん、17歳。読みます」

“こんにちは、ランカ。いつもラジオ聴いています。できるだけリアルタイムで聴くようにしています。たまに録音を聞いていますけど”

「ありがとう、今、聞いてくれているのかな?」

“私は苦しい恋をしています。初恋です。好きな人がいるのですが、その人には素敵な彼女がいます。彼女は、私が尊敬している人で、悲しませるような事はしたくありません。でも、毎日毎日、大きくなっていく彼への気持ちで、どうしたらいいのか分からなくなります。ランカ、こんな私にアドバイスを下さい”

「苦しい恋……私にも大切な思い出があります」

「私が好きになった人……すっごく意地悪で突き放したところがありました。でも、冷たいんじゃないんです。何て言うのかな……安易に慰めとか、優しい言葉を使わない、って言ったらいいのかな。その人の話をちゃんと聞いていると、いつも最後で励ましてくれているんです。その励ましに背中を押されて、私は歌の世界へ、最初の一歩を踏み出しました」

「でも、私が好きになるぐらいの人には、やっぱりお似合いの彼女がいて、フィオナと同じ立場だったかも。その時の気持ちは私の大切な宝物です。今は誰にも触れられない心の奥底にひっそりとしまっています」

「フィオナの初恋がどんな風になるのか、予想できない。でも、きっと、あなたにとって素敵な宝物になると思います。今は、一生懸命に自分の気持ちに向き合って下さい。自分の恋にドキドキしながらも、他の人の事を考えられるあなたは、素敵な女の子。……全然、アドバイスになってないけど」

「フィオナさんに贈るナンバーは『ミュージック・アワー』。この曲が、元気を分けてくれるよ」

 


★あとがき★
後日談で、大人になったランカがラジオ番組を担当していたら、というイメージで描いてみました。
ランカのセリフの中にもあるのですが、銀河を結ぶ即時放送ということで、バジュラのフォールドクォーツが大規模に商業利用されている、という部分が後日談っぽさを出しています。
アルトやシェリルが、銀河のどこかでこれを聞いている情景を想像しています。
紹介している曲はラジオ縛りで。

2008.08.06 


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