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SMSマクロス・クォーター艦内。
カナリア・ベルシュタインは格納庫へ向かって通路を歩いていた。
通路の向こうから小柄な人影が現れた。
カナリアミシェルを見なかったか?」
マイクローン化したクランクランだ。
ミシェルなら、ジムにいた」
「うむ、ありがとう」
小走りに、ジムの方へ向かうクラン
その背中を見送ってから、再び歩き出すカナリア
「?」
思わず目をこすった。
廊下の向こうから小柄な人影がやってくる。
クラン……さっきすれ違ったはず……?」
クランカナリアに軽く手を上げて挨拶すると、ジムの方へ向かった。
その背中を見送ってから振り返ると、廊下の向こうから小柄な人影が複数やってくる。
「?????」
クランだ。同じ顔で服装だけ違うクランが何人もやってくる。
「なんだ??」

艦内に警報が発令された。
「マイクローン化装置の暴走により、クランクラン大尉が大量に発生中!」

ジムではミシェルが妙な顔をしていた。
「大量に発生?」
フィットネスマシンから立ち上がり、器具についた汗を拭き取る。
ミシェル
ミシェル
ミシェル
「ミシェル」
マイクローン化したクランがジムに現れた。それも複数。
「ええーっ?」
さっきの警報はこれのことか、とミシェルは驚いた。
「今日こそ成敗してくれるーっ」
両手の指で余る数のクランが一斉に叫んだ。
「なんだこりゃー」
反射的にダッシュして逃げるが、別のクランたちが行く手をふさいだ。
「待て待て待てーっ」
「ずるいぞ、一人人海戦術かっ!」

気になってジムへやってきたカナリアは、男子更衣室のドアの前に乗組員たちが集まっているのを見た。
「どうした?」
ドアを開けようと悪戦苦闘しているアルトルカにたずねる。
「く、クランたちがミシェルを部屋に連れ込んだんだ」
ドアの向こうから、かすかに声がする。
「武装解除だぁー」
「やめろっ」
「これが男子の主力兵装か」
「触るなっ」
「どれどれ」
「五人がかりで手足を押さえるなんて、ずるいぞっ、クランっ」
「おお、これは…」
「やーめーてー」
そこに整備班員がやってきて、外部からロックを外した。
開いたドアの向こうに見えたものは、泣き崩れる半裸のミシェルと、ぷかーと煙草をふかして満足そうなクランたちだった。
「な、何があったんだ」
目を点にする一同。


カナリア・ベルシュタインの日記より抜粋★
技術班の調査により、マイクローン化装置暴走の原因が突き止められた。
プロトカルチャーに由来するオーバーテクノロジーには未解明の部分も多いが、今回に関しては終了信号がエラーを起こし、マイクローン化プロセスがループ状態になったのだ。
さて、大量に発生してしまったクランクラン大尉はどうなったかと言うと、実はまだ艦内にいるのである。

「「「みーしぇーるー」」」

2008.06.20 


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