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アルトシェリルをSMSの自室に運び込んだ後のお話。



ブリーフィングルームへ向かうアルトとミシェルの背中を見送ってから、シェリルはシーツにくるまった。
SMS宿舎の狭くて清潔な寝台には、アルトの匂いがこもっていた。
アルトをこんな風に感じるのは刺激的でもあり、同時に心が安らぐような気持ちになった。
(男……当たり前よね。あんな美人でも男だもの)
シェリルは枕をぎゅっと抱きしめた。
シトラス系コロンの残り香とアルト自身の体臭が混ざった匂いを胸いっぱいに吸い込む。
枕もとの棚を見ると、今時珍しいハードカバーの本が数冊。
『ライト兄弟』
『夜間飛行』
『大空のサムライ』
『チャック・イェーガー』
『ミグ設計局開発史』
『VF-1 オーバーテクノロジーの受容と発展』
『ロイ・フォッカー勲章』
背表紙には、そんなタイトルが金文字で刻印されていた。
(ヒコーキ関係ばっかりね)
シェリルは息を潜めて扉の外の気配をうかがった。
人の気配は感じられない。
シェリルは体を起こした。
(そろそろ…)
ここを抜け出して、情報が集まる場所、事態の全体像が見渡せるマクロス・クォーターの艦橋へ向かおう。
指に何か絡みついているのに気づいた。一筋の長い黒髪。
(ごめん、アルト。迷惑かけるけど)
シェリルは指に黒髪を巻きつけて、口づけた。
ベッドから出て、ドアを開けた。左右を見て誰もいないのを確認すると、案内図を探しに部屋を出た。


★あとがき★
16話を見て、色々妄想。
タイトル、話数を間違っていたのをご指摘を受けて修正しました。ありがとうございます。

グレイスたちのオペレーション・カニバルってカニバリズム(人肉食)から来てる? 共食いとか?

16話で登場した、新しいアレンジの『アイモ』を聴いて確信。
グレイスたちの音楽センス全然イケてない。
シェリルの才能は彼女のものであって、グレイスたちが作ったんじゃないなぁ。

★おまけ・キャシーの妄想★
(な、何をしてるの、この子たち?)
キャサリン・グラス中尉は、アルトとミシェルの部屋へ通信を繋いで驚いた。
ブリーフィングルームへの呼び出しをかけたところ、二人の部屋ではミシェルとアルトがどことなく慌てた風情で通信に応えた。
しかもアルトは、二段ベッドの下段から半端に体を乗り出している。
(ま、まさか、デキているんじゃないでしょうね……)
キャシーの脳裏に、受け・攻め・誘い受け・ヘタレ攻め、などの単語が怒涛のように溢れ出した。
(どどど、どっちが上なのかしらっ?)
キャシーがハイスクール時代、腐女子であったことを、オズマもレオンも、グラス大統領でさえも知らない。

2008.07.26 


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