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未来、未来、その未来。
アルトシェリルという夫婦は男の子と女の子の双子が授かったそうじゃ。
男の子の方は外見はシェリル似で、性格はアルト似。
女の子の方は外見がアルト似で、性格はシェリル似。

【出産直後】
「ふふっ」
やつれたシェリルは、ベッドの上で微笑んだ。
ベビーベッドの上には、男女の双子が手足を動かし、声を上げている。
「お疲れ様。頑張ったな」
アルトのねぎらいの言葉にシェリルはコクンとうなずいた。
「男と女の双子を産んでくれて助かった」
「どうかしたの?」
アルトは呆れ顔になった。
「親父がね、ベビー用品しこたま送りつけて来た。男か女かわからないから、どっちてもいいように二人分だ。その上、初節句の用意まで」
嵐蔵さんらしいわ」
ふぅっと、力の抜けたシェリルの微笑みに、アルトは唇にキスした。
「また命名で騒ぎになりそうだ」
「あら、悪いけど、女の子の名前はもう決めているの」
「なんて言うんだ?」
「メロディ、よ。アルトとシェリルの娘にぴったりでしょう?」
「音楽関係にしたか」
「男の子はアルトが決めて」
「そうだな……考えてたんだが、悟郎というのはどうだろう?」
「意味は?」
「音は歌舞伎で最も有名なヒーロー・曽我五郎から頂いた。字は少し変えて、悟りの意味を取り入れた。親父も気に入るだろう、たぶん」
「いいわ、素敵」
シェリルの瞼がゆっくりと降りてきた。
「眠い…の……手握って…て」
「ああ、お休み」
アルトはシェリルが目覚めるまで、手を握っていた。

【幼児期】
アルトとシェリルは子供たちを連れて、草原でピクニック。
ストロベリーブロンドの男の子・悟郎は元気いっぱい野原を駆け回っている。
その後ろをついてくるのが、黒髪の女の子・メロディー。
「危ないぞー!」
アルトが声をかけた直後、悟郎が派手に転んだ。
「わああああん」
顔中を口にして、泣き叫ぶ。
「悟郎。泣いてたって他人は助けてくれないわよ」
シェリルに諭されて、必死で涙をこらえる。泥んこになっているが、立ちあがって拳で涙を拭いた。
「うー、ひっく」
「いい子ね。悟郎は強い子、元気な子」
シェリルが駆け寄って、泥を払い、頭を撫でて抱きしめた。
今度は、メロディが転ぶ。
アルトはすかさず駆け寄った。
「大丈夫か? 怪我はないか?」
メロディは涙目になりながらも、唇を噛んで声を出さない。
「我慢強いのはいいが、泣いたってかまわないんだぞ」
アルトが抱き上げると、肩に顔を押しつけて声をこらえて泣く。
「よしよし」
アルトの手のひらがメロディの背中を撫でる。

【英才教育】
居間で、悟郎とメロディを前に、シェリルはギターを取り出した。
「一度、こういうのやってみたかったのよね」
ご機嫌でシェリルは最初のパッセージを奏でた。
「お母さんに続いて歌ってね」

 Let's start at the very beginning
 A very good place to start
 When you read you begin with
 A-B-C
 When you sing you begin with do-re-mi

子供達も幼い声でドレミを歌う。
(音程を外していないのは才能かしら?)
自分でも親バカだと思いながら、ドレミファソラシドを教える。

【中学生】
双子が通う学校の学園祭。
出し物は、ロミオとジュリエット。
「なあ、なんだか舞台がやたらと本格的じゃないか?」
客席でアルトがいぶかしげに言う。
「いいじゃない、後輩たちも使ってくれるわよ」
シェリルは幕が上がるのを待ちきれないようにソワソワしている。
「それに嵐蔵さんも、半分出資してくれたし」
「親バカに爺バカめ……」
主演のロミオとジュリエットは、悟郎とメロディだったのは言うまでもない。

【高校生】
学園祭の出し物は、『男女逆転・シンデレラ』。
「なあ、舞台どころか建物が新築されているんだが…」
アルトは客席に座って周囲を見渡した。
「それは嵐蔵さんね」
シェリルはこともなげに言った。
「お前は、何を寄贈したんだ?」
「今回は音響設備一式」
「お前なぁ」
「いいじゃない、後輩も使ってくれるわよ」
シンデレラ姫は悟郎が、白馬の王子様はメロディが演じた。
特にメロディの王子様は、学園の女子生徒たちに人気を博し、しばらく山のようにファンレターやら贈り物が届けられたという。

【恋愛・悟郎編】
「ねえ、アルト聞いてよ」
「どうした、シェリル」
「悟郎ったら、まだ女の子と付き合ったことないみたいよ」
「今はバンドやったり、EXギアで飛ぶ方が楽しいんだろうな」
「メロディの話だと、女の子のファンは多いみたいだけどね。片っぱしから振ってるって」
「俺も似たようなもんだった」
「アルトが鈍感だったのは、原因なのかしら、結果なのかしら?」
「お前なぁ、言いたい放題言ってくれるな……まあ、シェリルが身近にいるんだ。ハードルが高くなってるんだろ?」
「そ、それじゃ仕方ないわね。女として完璧すぎるのも考えものだわ」
「じゃ、そういうことで」
そそくさと、その場を去るアルト。
「アルトも口が上手くなったわね」

【恋愛・メロディ編】
メロディは自室にこもって思案していた。
勉強机の上に様々な色・形の封筒を並べている。
目を閉じて、封筒を両手でシャッフルし、霊感に導かれてひとつを取り上げる。
「何をしてるの?」
シェリルの声に、メロディはびっくりして振り返った。
「お母さん、黙って部屋に入ってこないでよ」
「ドアがちゃんと閉まってなかったわよ」
「だとしても、ノックぐらいしてよね」
「これは……あら、古式ゆかしきラブレターね?」
シェリルは一つ取り上げて差出人と宛名を確かめた。
「今度のデートの相手を決めているの」
「モテる女も大変ね。この前の彼はどうだったの?」
「サヨナラしたわ」
「礼儀正しい好青年って感じだったのに……」
「悪い人じゃないの……でも、どうしても物足りない感じがしちゃって」
「不憫な子ね。アルトがうっかり超絶美人なばっかりに、まともな恋愛ができないなんて」
「私をダシにして、のろけるのやめて、お母さん」


★あとがき★
勢いあまって、アルトシェリルの子供の代まで妄想してしまいました。

45 :名無しさん:2008/06/08(日) 02:27:11
シェリルの性格でアルト顔の男の子
>ワイルド大胆で親分肌のおっとこ前アニキ(子カ○ナ系)
アルトの性格でシェリル顔の女の子
>負けず嫌いいじっぱり美少女(ハー○イオニー系)
ですね
わかります


スイッチを入れたのは、某掲示板での上の書き込みでした^^
ただ、男の子は母親に似て、女の子は父親に似るという俗説から、性格と外見の組み合わせを変えています。結果として、あんまり変わってないかも??
話中に登場した歌詞はお馴染み『ドレミの歌』より。


KEY様に、素敵な挿絵を描いていただきました。
こんな未来だといいなぁ。

家族でピクニック

2008.06.10 


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