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「おーい、ジュン
新統合軍フロンティア艦隊・VF士官学校の教室でマルヤマ候補生が話しかけてきた。
「なんだい?」
「配属先、決まりそうだぜ」
マルヤマはニヤリと笑った。
「どこ?」
「バトルフロンティア航空団第1大隊」
「うわ、精鋭じゃないか」
言った後で、ジュンの表情が暗くなった。
「それだけ消耗が激しいってことなんだ」
「ああ。アイモ記念日の戦闘で、1個中隊が丸ごと壊滅だってさ。隷下の第4中隊なんか、ほとんど新編同様になる。俺ら、そこに配属されるっぽい。でも、悪いばかりじゃないぜ。新型機に乗れる」
「VF-25?」
「いや、VF-171EX。うちの船団じゃ初の重量子ビーム砲標準装備だぜ」
VF-25の制式採用に向けて、EXギアシステムを組み込んだカリキュラムを学んできたジュンは少しばかり失望したが、新型装備には興味が湧いた。

急速なパイロットの消耗により、正規の教程を短縮して繰り上げ卒業するマルヤマジュンたちの世代は、准尉の階級を与えられ実戦部隊に配属される。
地球という一惑星上で展開された統合戦争以来、消耗率の高いVF部隊のパイロット確保は統合軍/新統合軍を通しての課題の一つだった。
解決策の一つと目されているのがEXギア・システムだ。
年々、高出力化・高機動化してゆく可変戦闘機は、人間の肉体が耐えきれない領域へと差し掛かりつつあった。
独立した動力源を持ち、パイロットを慣性の変化から保護するのがEXギア・システムの利点だったが、もう一つ大きなアドバンテージがあった。
身体を動かす感覚の延長で、可変戦闘機の操縦に慣れる、というのがそれだ。この利点により、パイロット育成に必要な時間を圧縮、その分を戦術などの実戦的な教程に振り向ける。
まだ美星学園の学生に過ぎなかった早乙女アルトが、いきなりVF-25に搭乗してバジュラ相手の戦闘機動を可能にしたことは、EXギアが所期の目的を達成できるほどに熟成してきた証だ。

「メインエンジンの出力が凄い上がっているらしい」
マルヤマが、わくわくした様子で聞きこんできた情報を話す。
重量子ビーム砲を機載するためには、エネルギー源を確保する必要がある。また、機動性の高いバジュラを相手にするためには、加速性能も重要だ。
ジュンは、どこまでも楽天的な同級生の話に耳を傾ける。
「扱いが難しそうだね」
「ああ。でも、そんなピーキーなジャジャ馬を操れるようになったら、カッコイイじゃねぇかよ」
マルヤマは、ニヤリと唇を歪めた。
「そんでもって、もう一つニュース」
「どこで情報集めるんだい?」
「蛇の道は細いって、言うだろ」
「間違って覚えているよ」
「そんなのどーでもいいだろ。それより、聞きたくないか? 俺の仕入れてきたニュース」
ジュンは軽くため息をついて、頷いた。
「新しい対バジュラ戦術を確立するために、優先的に新装備が支給されるんだってさ。使用法を指導しにエキスパートも来るらしい」
「エキスパート?」
「軍以上に実戦経験のある所ったら、フロンティアに一つだけだろ?」
「レッド・バグス?」
ジュンが挙げたのは、フロンティア艦隊屈指の戦技を誇るアグレッサー(仮想敵部隊)だ。正規軍の部隊では、いち早くVF-25を装備している。
「ノンノン。SMSさ」
マルヤマって、ホントにどこから情報仕入れるんだい? 歩く早期警戒機だね」
ジュンは感心した。
「いや、艦隊司令部にね、ちょっとコネがあってさ」
「え、彼女でも居るのかい?」
「伯母さんなんだけどねー」
「なーんだ」

バトルフロンティア、ブリーフィングルーム。
正式に准尉として任官したジュンとマルヤマは、SMSから派遣されてきたパイロットと引き合わされた。
「おい、すっげー美人とボクちゃんだぜ」
マルヤマが小声でジュンに囁いた。
ジュンが真顔でたしなめると、マルヤマはピッと背筋を伸ばして真面目な表情を作った。しかし、瞳だけは好奇心でキラキラしている。
長く伸ばした黒髪を後ろでまとめた“美女”が中隊長に向けて敬礼した。
「SMS所属、早乙女アルト少尉です」
マルヤマが驚いた表情を一瞬浮かべてから、取り繕ったのをジュンは見逃さなかった。明らかに声は男だ。
「LAI重工、開発部主任、ルカ・アンジェローニです」
“ボクちゃん”は童顔なのかと思ったら、本当に少年だ。LAIグループを経営するアンジェローニ家の一員ということは、見かけによらないVIPらしい。
ジュンとマルヤマも中隊長に促されて自己紹介を済ませると、すぐに訓練計画の話に入った。

マルヤマは、重量子ビーム砲のトリガーを引き絞った。
狙いを定めていた筈のアルト機は横滑りして、マルヤマの視界から消えた。
「何ぃ!」
焦って上下左右に首を巡らせるが、見失ってしまった。
「マルヤマ、9時っ!」
ジュンが叫ぶ。左方向にアルト機を発見。スラスターを吹かして機首を滑らせるが、アルト機はマルヤマ機の下にもぐりこんだ。
「うあ!」
ジュンの叫びが聞こえた。直ちに撃墜の判定が下った。
「くそっ」
マルヤマは歯を食いしばった。ガウォーク形態にシフトして急減速、アルト機に追い越しさせた。
(なんてヤツだ。俺の機体を盾に、ジュンを撃墜しやがった)
アルト機の後方につくと、旋回しつつ重量子ビーム砲の射界に捉えようと激しい加速度に耐えながらVF-171EXを操る。
後もう一歩、というところで再びアルト機が視界から消えた。
「な…のわぁっ」
アルト機はバトロイドに変形し、マルヤマ機に跨った。機械腕が保持したコンバットナイフの柄でキャノピーをコンコン叩く。
マルヤマ機にも撃墜判定が下った。

“軍人さん、もう少しEXギアを信じろ。旋回半径は、もっと小さくできるはずだ”
通信機越しに聞こえるアルトの声はいたって涼しげだった。汗の一つもかいていないんじゃないかとさえ思える。
「りょ、了解」
マルヤマは、やっとのことで返事をした。
VF-25に乗ったアルトと、VF-171EXを使用するマルヤマとジュンの編隊は演習宙域から帰還する途上だ。前方にはルカの乗るRVF-25が警戒に当たっている。
「俺達、二人がかりで、かすりもしなかった……な」
マルヤマがジュンに向けて通信を送る。
「ああ」
アルトとの対抗演習は、全くの一方的な結果で終わった。3本勝負で3タコ。
VF-25とVF-171EXのカタログスペックを比較しても、これほどの差は無い。
「腕の差、か」
ジュンは呟いてから、スクリーンに映し出されたマルヤマの表情を見た。
いつもふざけて陽気な彼が、精根尽きはてて目がうつろになっている。
“指導教官の言った事は忘れろ。EXギアを実戦で使った事がないんだからな。VF-171EXのパワーに振りまわされ気味なのもあるが、もっと上手くやれる”

アルトは演習後シャワーを浴びていた。
後でレポートをまとめなければならない。頭の中で、どう書きだすか思案しながら汗を流す。
「先輩」
バトルフロンティア艦内で、そんな風に呼びかけるのはルカだけだ。
ルカから見て、どうだ?」
「かわいそうになってきましたよ。アルト先輩が容赦しないから」
「生き残って欲しいからな。演習で撃墜されても、実戦で生き残れば良い」
「それは、そうなんですけどね。マルヤマ准尉なんか、バトロイドに馬乗りにされて、落ち込んでましたから」
ルカは隣のブースに入って、シャワーを使い始めた。
「明日からは順番を追って教えてやるさ。今日の所は、俺も、向こうさんの実力を見ておきたかったし」
「有望ですか?」
「結果から見るほど悪くない。選抜されて新装備を与えられるだけあって、筋は良い。その分、鼻っ柱も強いみたいだが」
アルトはシャワーを止めた。
「その鼻っ柱、完膚なきまでに叩き折ったじゃないですか」
ルカは苦笑した。
「この後はどうするんですか?」
「ああ。シフトが外れたら、引っ越しの下見だ」
シェリルさん、のですか?」
アルトは長い黒髪を軽く絞って水気を切った。
「行政府にアパートを手配してもらった。いつまでも実家の離れで好意に甘えているのは心苦しいとさ」
シェリルさんらしいですね」
そこに、マルヤマとジュンが入ってきた。
アルトが挨拶してシャワールームを出る。
「やっぱ、男だったな」
マルヤマの言葉に、ジュンが笑う。演習直後の衝撃から、少しは回復したらしい。
「本人がそう言ってるじゃないか」
ルカが口をはさんだ。
「マルヤマさん、アルト少尉、女性に間違われるのが大っ嫌いですからね。気を付けて下さいね」
「はっ。でも、間違えますよね。美人だし、髪長いし」
減らず口を叩くマルヤマにルカが笑った。
「まあ、それはそうなんですが」
案外話せると思ったのか、マルヤマはシャワーを浴びながらルカに尋ねた。
「どんな人なんスか、アルト少尉」
「どんな人って……見かけ取っつきづらそうですけど、けっこう目下の人への面倒見はいいですよ」
「そうなんスか。俺も頑張ってついていくッス。もしかして、シェリルファンとか?」
「え?」
ルカは目を丸くした。
「いや、今さっきシェリルの名前が聞こえたような気がしたもんで」
「あー、まあ……アルト先輩は、ファンというか知り合い……友達かな」
ルカは言葉をぼかした。
マルヤマは目を丸くした。
「ええーっ、それはスゴいッスね。どういう切っ掛けで?」
ジュンがとりなす様に付け加えた。
「マルヤマは、大のシェリルファンなんです。機体を与えられたら、シェリルを使ったノーズアートを書き込みたいなーって、いっつも言ってて…」
ルカはシェリルのドキュメンタリー番組でSMSが撮影協力したいきさつを話した。

実際の機体を使用した対抗演習の後は、半月ほどシミュレーションマシンを使用した演習が繰り返された。
フロンティア船団のエネルギー、資源ともに逼迫していて、大がかりな演習が行えなくなっている。
ブリーフィングルームでは、ルカの指導の下、RVF-25の発信するフォールド波ジャミングを使用してバジュラ達の通信網を遮断しつつ、戦闘機部隊による殲滅戦術が叩き込まれる。
新米パイロットたちに、バジュラの動きを捉えた映像が次々と見せる。
「フォールド波通信の妨害が有効なのは半径100km圏内です。この中でバジュラを撃墜できれば、損傷情報が他の個体には伝わりません。バジュラの特徴である短時日での進化・適応を少しでも遅延させ、戦術的な優位を確保するための方法です」
ルカの説明の続きをアルトが引き取った。
「しかしながら、バジュラの動きは極めて素早い。これに対処するためには、動きのパターンに慣れてもらう必要がある。常にRVF-25の位置を意識しつつ、素早い敵を追い込むように戦わなくてはならない。困難だが、成し遂げなければならないんだ」
ジュンは、バジュラの動きを見て、はっとした。
最初の演習で、アルトがマルヤマの機体に馬乗りになって見せたのは、技量の違いをアピールする部分もあるのだろうが、バジュラの動きを再現してみせていたのだ。
モニターの中では、小型のバジュラがVF-171にのしかかり、尻尾でコクピットを破壊している様子が映し出されていた。
(あんな風に死にたくないな……機体にしがみつかれたら、どうやって回避するか)
後でマルヤマにも教えてやろうと、心に留めておく。
(アルト少尉が目下への面倒見が良いというのは本当かも)

訓練に次ぐ訓練。
いつバジュラとの遭遇戦が発生してもおかしくない情勢下で、訓練と休養は全てに優先する。
マルヤマとジュンは、訓練でアルトにしごかれて、宿舎に戻ると泥のように眠る日々が続いた。

初の実戦はバジュラの迎撃だった。
大型バジュラが5匹の群。フロンティア船団を偵察しているらしい。
ルカの操るRVF-25がフォールド波ジャミングを開始した。
すかさずアルトのVF-25が1匹を撃墜。
無駄弾の無い射撃にマルヤマが歓声を上げた。
「すげぇ」
“そっちへ行ったぞ、軍人さんっ!”
アルトの叱咤が飛んだ。
“新型とやらの実力見せてもらうぜ”
「はいっ」
ジュンは引き金を絞った。
命中。
しかし致命傷ではなかったらしく、バジュラは軌道を変更した。
ルカの操る無人機ゴーストが、猟犬のようにバジュラを追い込む。
アルト機がマイクロミサイルで3匹仕留めた。バジュラの新しい装甲に対応した弾頭は、良好な戦果をあげた。
バトルフロンティアに帰還してから、マルヤマは機体の状況をチェックしながら言った。
「やっぱ、アルト少尉、すげーな」
残段数をチェックしながら、ジュンも頷いた。
「うん。MDE弾頭も効いていたね。僕らも1個ずつスコア稼いだし」
「射撃が正確だよな。先読みできるみたいだもんな。早く、あんな風になりたい」
目に焼き付けた鮮やかな動きを思い返す。
「あのパワーの源って何だろ?」
ジュンがポツリと言った。
「源?」
「アルト少尉のさ……アンジェローニ主任もそうだけど、なんか張りつめている感じがするだろ。いつ休んでるんだってぐらい仕事してるし」
今の船団では、誰もかれもが追い詰められていると言ってもいい。しかし、その中でSMSから来た二人の緊張感は際立っていた。
「決まってるさ」
マルヤマが低い声で言った。
「そうかな」
「ああ……これ以上失いたくないんだ。ずっと最前線で戦ってきたSMSなんだぜ。戦死したメンバーだって少なくないはずだ」
「うん」
それから二人は、念入りに機体のチェックを済ませて、機を降りた。

フロンティア船団標準時、深夜。バトルフロンティア艦内パイロット待機所。
スクランブル(緊急発進)に備えて、常に一個中隊程度が控えていた。
マルヤマやジュンもボンヤリとテレビを眺めながら時間をつぶしていた。
「俺さ、待機シフトってのが苦手」
マルヤマがぼやく。
「判るよ、その気持ち」
ジュンも頷いた。
リラックスして過ごすように義務付けられているが、いつスクランブルが発令するかもしれないという状況では、寛げるはずもない。
数少ない古参のパイロットたちは、本当にリラックスした様子でポーカーに興じて時間をつぶしているが、新米達はその境地に達することはできなかった。
「あと2時間、か……」
壁の時計を見上げて、シフト交代までの残り時間を呟くマルヤマ。
待機所のドアが開き、かけ込んできた二人組。軍のものとは違うパイロットスーツはアルトとルカだった。
「スクランブルがかかる。俺達にも機体を!」
切羽詰まったアルトの声に、中隊長が怪訝な顔をする。
「どうしたんだ…」
中隊長が続けようとすると、その声にかぶさってスクランブルを告げるサイレンが鳴った。
各自駈け出して、自分の機体へ向かう。
“SMSマクロス・クォーターが司令部の制止を振り切って、出港! これを阻止せよ。大統領命令である!”
コクピットに収まったジュンは絶句した。
「なんで、SMSが……じゃあ、アルト少尉達は?」
次々と機体が滑走路に搬出され、カタパルトで射出されてゆく。
モニターに表示されたIFF(敵味方識別信号)を見ると、スカル3、4のサインが読み取れた。
アルト達も機体を与えられて出撃したのだ。
「状況を説明します。SMSマクロス・クォーターが船団を離脱しました。近く、SMSが解体され新統合軍に編入されるのを不服とした行動のようです。僕らにも……決起を促すメッセージが来ました」
RVF-171EXに搭乗したルカが早口で言った。
レーダーに反応。
最大戦速で加速するマクロス・クォーターから艦載機が発進した。
数は…
「全力です!」
ルカの報告に、マルヤマは呻いた。
「頭数は互角か」
早くも、双方の電子戦機によるセンサー妨害の前哨戦が始まっている。
「大統領命令により、あなた方に警告します。ただちに艦を戻してください。発進許可は出ていません」
ルカがオープンの回線で呼びかける。
男性的な低い声が応えた。
“悪いができんな”
ジェフリー・ワイルダー大佐。マクロス・クォーター艦長だ。
「どうしてこんな…僕らの敵はバジュラですよ。なのに……!」
ルカの説得は、軽くいなされた。
“皆が右を向いていると、つい左から見直したくなる性分でな”
そのやりとりの間も、SMS艦載機部隊と、バトルフロンティアから飛び立った第4中隊は互いに有利な位置を占めようと機動を繰り広げている。実戦経験に勝るSMS側の動きは手慣れていて、ややもすれば第4中隊は受け身に回りそうになる。
“止めたきゃ止めてみろよ。そんな間に合わせな改造をした機体で、俺に勝てるつもりならな!”
オズマ・リー少佐の挑発。
「残念です、少佐」
ルカは淡々と告げた。
戦端が開かれた。
双方からマイクロミサイルが発射される。追尾された機体は、ミサイルのセンサーを眩まそうとフレアを発射して対抗する。
“アルト”
「何でだよ。どうしてアンタは!」
アルトがオズマに噛み付いた。ジュンが聞いたことのない、感情をむき出しにした叫びだ。
“相変わらず融通の効かんヤツめ。だから巻き込めないんだよお前は”
「ちゃんと答えろよっ!」
“気に食わんトップのために血を流すのは趣味じゃなくてな。俺の大事な女たちを守るには、これがベストなやり方なのさ”
「女って…くっ! それが大人の言うことかよぉ!」
オープン回線で舌戦を交わしながら、エースパイロット同士の戦いは鮮やかな軌跡を描き、余人の介入を拒む。
“悪いがオレは大人じゃなくて漢なんだよ! お前こそ、ただ流されてるんじゃないのか? 状況に、その時々の感情に!”
ジュンは激しい回避運動の最中、視界の隅で見た。
アーマードパック装備のVF-25とアルトのVF-171が撃ち合った瞬間を。
“早乙女アルト、お前の翼は何のためにあるっ!!”
(相討ち!?)
双方の機体に被弾の閃光が見えた。しかし、撃墜までには至らなかったようだ。
“……腕を上げたな”
オズマ少佐の声は、何故か嬉しそうに聞こえた。
VF-25は機首を返して、光を放ちながらフォールド空間へと突入するマクロス・クォーターに向かった。
他のSMSの機体も鮮やかに撤収していく。
第4中隊側の作戦目標は達成できなかった。
フォールド空間の向こうから、通常空間へオズマ少佐の声が電波に乗って漏れ聞こえてくる。
“アルト、ランカは自分の道を選んだ。俺も、俺自身の道を選ぶ。お前はどこへ行く”
「くっ! くそぉぉぉぉーっ!!」
マルヤマとジュンの耳に、アルトの叫びがいつまでも残った。

(続く)


★あとがき★
テレビ放送ですと、22話から24話の決戦前辺りのお話です。
小説3巻は、ストーリーの流れが多少異なるのですが、同じ部分に相当する部分が描写されていました。それに刺激されてのお話です。

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2009.01.04 


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